解説 · 読了 8 分

llms.txt の Optional セクションには何を書くか

読み飛ばされる前提で書く部分。そこから何が導かれるか。

llms.txt の例はどれも同じ形で始まります。H1、引用ブロック、 名前のついたいくつかのセクション、そして最後に Optional というセクション。名前がそのまま仕様で、コンテキストが 足りないときに読み手が落としてよいリンクの印です。

この記事では、仕様に書かれていることと 2026 年の改訂で 変わったこと、実在する 28 ファイルでの使われ方、何を入れるかの 判断基準、そのまま使える短い例をまとめます。

30 秒で分かる結論:Optional には「余裕があれば役立ち、なくても困らないもの」を置く

仕様は、Optional セクションは慣習として二次的な情報、つまり 短いコンテキストが必要なときにエージェントが読み飛ばせる リンクのために使う、と述べています。これが判断基準です。 リンクごとに「そのリンクを一度も辿らないアシスタントが、 それでもサイトを正しく説明し、よくある質問に答えられるか」を 問います。答えられるなら Optional 向きで、答えられないなら 上の名前つきセクションに置きます。

ここから 3 つのことが導かれます。最後に置くこと。途中でやめた 読み手が重要な部分を先に見ているようにするためです。短く 保つこと。100 本のリンクが並ぶセクションは二次的な情報では なく、整理されていない索引です。そして、それでもリンクには 一文ずつ注釈を添えること。余裕のある読み手は、取りに行く前に 何のリンクかを知る権利があります。

仕様の記述と、v2 で変わったこと

llmstxt.org の仕様は、このファイルを H1、任意の引用ブロック、 任意の自由記述の Markdown、そしてリンクの一覧を持つ 0 個以上の H2 セクションとして定義しています。仕様の例は ## Optional で終わり、本文には一文だけ説明が あります。慣習として、短いコンテキストが必要なときに エージェントが読み飛ばせるリンクのためのセクションだ、と。

2024 年の最初の提案では、この一文に実体がありました。提案には llms.txt を読み、リンク先のページを取得してプロンプトを組み立てる コンテキスト展開ツールが付属していて、プロンプトを短くする 必要があるときには Optional 配下をすべて省いていました。2026 年 8 月の改訂はこのツールを提案から外し、変更の記録にもそう書いて います。Optional セクションは引き続き許され、二次的なリンクの ための有用な慣習として残るが、機械的な意味はもう持たない、と。

つまり 2026 年 9 月時点では、このセクションは仕組みではなく ラベルです。人であれモデルであれ、読み手に「作者はこのリンクを 二次的だと考えている」と伝えます。それを尊重するかどうかは アシスタント次第で、だからこそ一次的なセクションだけで 話が完結するようにしておく理由がもう 1 つ増えます。

実在するファイルでの使われ方

実例記事のために 2026 年 9 月 19 日に公開 llms.txt を 28 本 保存しました。Optional セクションがあるのは 11 本(うち 2 本は 同じ Vercel のファイルが 2 つのパスで配信されているもの)です。 そこに置かれているものは、いくつかの型に分かれます。

  • コミュニティ、ブログ、サポート、変更履歴。最も多く、最も筋の通った型です。Bun はリファレンスとブログ、 Perplexity のドキュメントはコミュニティとブログ、Stripe の ドキュメントはサポートと変更履歴を置いています。いずれも 2 本。
  • 上流や外部のドキュメント。仕様の作者自身の プロジェクトである FastHTML は、21 本中 14 本を Optional に 置いています。Starlette ドキュメントの抜粋や、フレームワークが 依存する小さな JavaScript ライブラリなど。深い質問には役立ち、 多くの場合は飛ばせるものです。
  • 機械向けの付加物。Vercel は実験的な エージェント向けリソースカタログ、製品タクソノミー、 ドキュメントのグラフをいずれも JSON で置いています。Cloudflare のマーケティングサイトは llms-full.txt への 1 本だけを Optional に置いています。
  • 他言語版。このサイト自身のファイルは、仕様への リンクのあとに英語以外の 8 言語版を Optional に並べています。
  • 集積所。Hono は 90 本中 87 本を Optional に 置いていて、それはミドルウェアの全ページ、つまりセクションが ファイルそのものです。Stripe のマーケティングサイトは 305 本中 153 本の解説記事をそこに置いています。どちらも名前のついた セクションにすれば、読み手にそれが何のリンクかを伝えられた はずです。

残りの 17 本には Optional セクションがありません。Anthropic、 Cloudflare の開発者ドキュメント、Next.js、Svelte、Tailwind などです。それも問題ありません。生成ツールが完全な索引を出す 場合、二次的なものとして分ける対象がないからです。

入れるものと入れないもの

Optional に置く名前つきセクションに置く
変更履歴、リリースノートはじめ方、インストール
ブログ、コミュニティ、ニュースレター料金、プラン、制限
サポートや問い合わせの入口よく聞かれる中核のガイドとリファレンス
上流や依存ライブラリのドキュメント送料・返品・規約の要点(EC サイトの場合)
サイトの他言語版一番よく聞かれる質問に答えるページ
機械向けの付加物:llms-full.txt、JSON カタログ、OpenAPIリンクが 10 本以上あるもの(専用の H2 を立てる)
旧バージョン、終了したリリースからの移行ガイド法務ページ:たいていはそもそも載せない

左の列には共通点があります。どれも読み手が名前を挙げて探すもの です。変更履歴から製品を知る人はいませんが、すでに使っている人は 見たいかもしれない。右の列は、あなたのことを聞いたことのない人に 正確に説明するためにアシスタントが必要とするものです。

書き方

最後に置きます。名前は正確に Optional とします。 慣習はこの単語そのものだからです。リンクは 10 本程度までに 抑え、それを超えるなら、まとまりを 1 つ取り出して内容の分かる 名前のセクションに昇格させます。各リンクにはファイルの他の 場所と同じ一文の注釈を付けます。余裕のある読み手は、辿るか どうかをそれで決めるからです。

## Optional

- [変更履歴](https://acme.example/changelog): リリースノート。新しい順。
- [ブログ](https://acme.example/blog): 製品のお知らせと技術記事。
- [コミュニティフォーラム](https://community.acme.example): 他のユーザーとスタッフが答える Q&A。
- [llms-full.txt](https://acme.example/llms-full.txt): 上のガイドの全文を 1 つの Markdown にまとめたもの。
- [English](https://acme.example/llms.txt): このファイルの英語版。

避けることが 2 つあります。分類できなかったリンクの置き場に Optional を使わないこと。分類できないリンクの直し方は、分類を 作ることです。そして、一番よく聞かれる質問に答えるページを、 自分には二次的に見えたからという理由でそこに置かないこと。 基準は読み手の質問であって、社内の組織図ではありません。

確認の仕方

ファイルを取得して最後のセクションを見ます。Optional で、短く、 注釈がついているはずです。バリデータは見つかったリンクをすべて 一覧にするので、長さはそこに表れます。

llms.txt を検証する

サイトの URL を貼ると、/llms.txt を取得して仕様に沿った構造かを確認し、見つかったセクションとリンクをすべて一覧にします。

バリデータを開く →

よくある質問

Optional セクションは必須ですか?

必須ではありません。llms.txt で唯一必須なのは H1 です。Optional セクションは仕様が説明し、自身の例でも使っている慣習で、ない場合でもファイルとして完全に有効です。残しておく価値のある二次的なリンクがあるときに作り、ファイルの中身がすべて一次的なら作りません。

AI は本当に Optional セクションを読み飛ばすのですか?

保証はありません。v1 の仕様では、コンテキスト展開ツールが短いプロンプトを組むときに Optional 配下のリンクを落としていました。2026 年 8 月の v2 改訂でそのツールが提案から外れ、Optional は機械的な意味を持たなくなりました。人にも機械にも「優先度が低い」と伝えるラベルであって、スイッチではないと考えるのが安全です。

最後のセクションにすべきですか?

はい。慣習でもあり、実務上の理由もあります。途中で読むのをやめた読み手が、重要なものを先に見終えているようにするためです。仕様の例も最後に置いています。Mintlify が生成するファイルは Optional のあとに Indexes セクションを置く珍しい例ですが、それは生成ツールの癖であって、真似する型ではありません。

Optional に何百本もリンクを置いてもよいですか?

置けますし、実際にそうしているサイトもあります。今回見たファイルでは、あるフレームワークが 90 本中 87 本を、ある企業が 305 本中 153 本を Optional に置いていました。そうなると見出しは置き場所のない物の集積所になり、ファイル全体が優先度の低いものとして読まれます。何百本も必要なセクションには名前のついた H2 が必要で、そうでなければ索引ではなく llms-full.txt の仕事です。

法務ページ、料金、サポートはどうしますか?

料金とサポートはたいてい一次的です。人がアシスタントに尋ねる質問に答えるページだからで、名前のついたセクションに置きます。法務ページはそもそもリンクする価値がないことが多いです。サポート、コミュニティ、変更履歴へのリンクは実在するファイルで最もよくある Optional の項目で、その置き方は正しいです。余裕があれば役立ち、製品を理解するのに必須ではないものです。

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