30 秒で分かる結論:Optional には「余裕があれば役立ち、なくても困らないもの」を置く
仕様は、Optional セクションは慣習として二次的な情報、つまり 短いコンテキストが必要なときにエージェントが読み飛ばせる リンクのために使う、と述べています。これが判断基準です。 リンクごとに「そのリンクを一度も辿らないアシスタントが、 それでもサイトを正しく説明し、よくある質問に答えられるか」を 問います。答えられるなら Optional 向きで、答えられないなら 上の名前つきセクションに置きます。
ここから 3 つのことが導かれます。最後に置くこと。途中でやめた 読み手が重要な部分を先に見ているようにするためです。短く 保つこと。100 本のリンクが並ぶセクションは二次的な情報では なく、整理されていない索引です。そして、それでもリンクには 一文ずつ注釈を添えること。余裕のある読み手は、取りに行く前に 何のリンクかを知る権利があります。
仕様の記述と、v2 で変わったこと
llmstxt.org の仕様は、このファイルを H1、任意の引用ブロック、 任意の自由記述の Markdown、そしてリンクの一覧を持つ 0 個以上の H2 セクションとして定義しています。仕様の例は ## Optional で終わり、本文には一文だけ説明が あります。慣習として、短いコンテキストが必要なときに エージェントが読み飛ばせるリンクのためのセクションだ、と。
2024 年の最初の提案では、この一文に実体がありました。提案には llms.txt を読み、リンク先のページを取得してプロンプトを組み立てる コンテキスト展開ツールが付属していて、プロンプトを短くする 必要があるときには Optional 配下をすべて省いていました。2026 年 8 月の改訂はこのツールを提案から外し、変更の記録にもそう書いて います。Optional セクションは引き続き許され、二次的なリンクの ための有用な慣習として残るが、機械的な意味はもう持たない、と。
つまり 2026 年 9 月時点では、このセクションは仕組みではなく ラベルです。人であれモデルであれ、読み手に「作者はこのリンクを 二次的だと考えている」と伝えます。それを尊重するかどうかは アシスタント次第で、だからこそ一次的なセクションだけで 話が完結するようにしておく理由がもう 1 つ増えます。
実在するファイルでの使われ方
実例記事のために 2026 年 9 月 19 日に公開 llms.txt を 28 本 保存しました。Optional セクションがあるのは 11 本(うち 2 本は 同じ Vercel のファイルが 2 つのパスで配信されているもの)です。 そこに置かれているものは、いくつかの型に分かれます。
- コミュニティ、ブログ、サポート、変更履歴。最も多く、最も筋の通った型です。Bun はリファレンスとブログ、 Perplexity のドキュメントはコミュニティとブログ、Stripe の ドキュメントはサポートと変更履歴を置いています。いずれも 2 本。
- 上流や外部のドキュメント。仕様の作者自身の プロジェクトである FastHTML は、21 本中 14 本を Optional に 置いています。Starlette ドキュメントの抜粋や、フレームワークが 依存する小さな JavaScript ライブラリなど。深い質問には役立ち、 多くの場合は飛ばせるものです。
- 機械向けの付加物。Vercel は実験的な エージェント向けリソースカタログ、製品タクソノミー、 ドキュメントのグラフをいずれも JSON で置いています。Cloudflare のマーケティングサイトは llms-full.txt への 1 本だけを Optional に置いています。
- 他言語版。このサイト自身のファイルは、仕様への リンクのあとに英語以外の 8 言語版を Optional に並べています。
- 集積所。Hono は 90 本中 87 本を Optional に 置いていて、それはミドルウェアの全ページ、つまりセクションが ファイルそのものです。Stripe のマーケティングサイトは 305 本中 153 本の解説記事をそこに置いています。どちらも名前のついた セクションにすれば、読み手にそれが何のリンクかを伝えられた はずです。
残りの 17 本には Optional セクションがありません。Anthropic、 Cloudflare の開発者ドキュメント、Next.js、Svelte、Tailwind などです。それも問題ありません。生成ツールが完全な索引を出す 場合、二次的なものとして分ける対象がないからです。
入れるものと入れないもの
| Optional に置く | 名前つきセクションに置く |
|---|---|
| 変更履歴、リリースノート | はじめ方、インストール |
| ブログ、コミュニティ、ニュースレター | 料金、プラン、制限 |
| サポートや問い合わせの入口 | よく聞かれる中核のガイドとリファレンス |
| 上流や依存ライブラリのドキュメント | 送料・返品・規約の要点(EC サイトの場合) |
| サイトの他言語版 | 一番よく聞かれる質問に答えるページ |
| 機械向けの付加物:llms-full.txt、JSON カタログ、OpenAPI | リンクが 10 本以上あるもの(専用の H2 を立てる) |
| 旧バージョン、終了したリリースからの移行ガイド | 法務ページ:たいていはそもそも載せない |
左の列には共通点があります。どれも読み手が名前を挙げて探すもの です。変更履歴から製品を知る人はいませんが、すでに使っている人は 見たいかもしれない。右の列は、あなたのことを聞いたことのない人に 正確に説明するためにアシスタントが必要とするものです。
書き方
最後に置きます。名前は正確に Optional とします。 慣習はこの単語そのものだからです。リンクは 10 本程度までに 抑え、それを超えるなら、まとまりを 1 つ取り出して内容の分かる 名前のセクションに昇格させます。各リンクにはファイルの他の 場所と同じ一文の注釈を付けます。余裕のある読み手は、辿るか どうかをそれで決めるからです。
## Optional - [変更履歴](https://acme.example/changelog): リリースノート。新しい順。 - [ブログ](https://acme.example/blog): 製品のお知らせと技術記事。 - [コミュニティフォーラム](https://community.acme.example): 他のユーザーとスタッフが答える Q&A。 - [llms-full.txt](https://acme.example/llms-full.txt): 上のガイドの全文を 1 つの Markdown にまとめたもの。 - [English](https://acme.example/llms.txt): このファイルの英語版。
避けることが 2 つあります。分類できなかったリンクの置き場に Optional を使わないこと。分類できないリンクの直し方は、分類を 作ることです。そして、一番よく聞かれる質問に答えるページを、 自分には二次的に見えたからという理由でそこに置かないこと。 基準は読み手の質問であって、社内の組織図ではありません。
確認の仕方
ファイルを取得して最後のセクションを見ます。Optional で、短く、 注釈がついているはずです。バリデータは見つかったリンクをすべて 一覧にするので、長さはそこに表れます。
よくある質問
Optional セクションは必須ですか?
必須ではありません。llms.txt で唯一必須なのは H1 です。Optional セクションは仕様が説明し、自身の例でも使っている慣習で、ない場合でもファイルとして完全に有効です。残しておく価値のある二次的なリンクがあるときに作り、ファイルの中身がすべて一次的なら作りません。
AI は本当に Optional セクションを読み飛ばすのですか?
保証はありません。v1 の仕様では、コンテキスト展開ツールが短いプロンプトを組むときに Optional 配下のリンクを落としていました。2026 年 8 月の v2 改訂でそのツールが提案から外れ、Optional は機械的な意味を持たなくなりました。人にも機械にも「優先度が低い」と伝えるラベルであって、スイッチではないと考えるのが安全です。
最後のセクションにすべきですか?
はい。慣習でもあり、実務上の理由もあります。途中で読むのをやめた読み手が、重要なものを先に見終えているようにするためです。仕様の例も最後に置いています。Mintlify が生成するファイルは Optional のあとに Indexes セクションを置く珍しい例ですが、それは生成ツールの癖であって、真似する型ではありません。
Optional に何百本もリンクを置いてもよいですか?
置けますし、実際にそうしているサイトもあります。今回見たファイルでは、あるフレームワークが 90 本中 87 本を、ある企業が 305 本中 153 本を Optional に置いていました。そうなると見出しは置き場所のない物の集積所になり、ファイル全体が優先度の低いものとして読まれます。何百本も必要なセクションには名前のついた H2 が必要で、そうでなければ索引ではなく llms-full.txt の仕事です。
法務ページ、料金、サポートはどうしますか?
料金とサポートはたいてい一次的です。人がアシスタントに尋ねる質問に答えるページだからで、名前のついたセクションに置きます。法務ページはそもそもリンクする価値がないことが多いです。サポート、コミュニティ、変更履歴へのリンクは実在するファイルで最もよくある Optional の項目で、その置き方は正しいです。余裕があれば役立ち、製品を理解するのに必須ではないものです。
次に読む
- → llms.txt の仕様を 1 行ずつ読む (v2 の全文を項目ごとに)
- → llms.txt の実例 8 選 (上で触れたファイルを全文で読む)
- → llms.txt の書き方:30 分で自分で書く手順
- → 解説記事の一覧へ戻る